なぜ私は親鸞会をやめたのか

明橋大二医師と親鸞会

真生会富山病院・明橋大二氏とは

明橋大二氏は2006年10月現在、富山県射水市にある真生会富山病院の心療内科医師であり、高森顕徹氏監修の「なぜ生きる」、単著では「輝ける子」「子育てハッピーアドバイス」(どちらも1万年堂出版)と幾たびもベストセラーを重ね、現在フジテレビ「笑っていいとも」の育児コーナーにレギュラー出演している医師です。氏の勤務する真生会富山病院のウェブサイトよりプロフィールを抜粋すると、

・国立京都病院内科、名古屋大学精神科、愛知県立城山病院をへて、現職
・新湊市立作道小学校スクールカウンセラー
・富山県児童虐待対応相談チーム委員
・高岡児童相談所嘱託医
・NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと副理事長

となっています。しかし明橋氏にはここでは書かれていないもう一つの顔があります。それは浄土真宗親鸞会会員としての明橋氏です。そして、明橋氏がベストセラーを重ね有名になった背景には、親鸞会という宗教団体の存在が深く関わっています。

では親鸞会とは一体どんな団体なのでしょうか。ルポライターの藤田庄市氏は「新潮45」にこう書いています。

 正体を隠した宗教勧誘は、統一教会だけではなく、ここ一〇年ほどの間に目立ってきている現象である。

 全国の大学で活発に活動をくり広げる浄土真宗親鸞会も、その代表的な宗教である。最近、高森顕徹という人物が書いた『光に向かって 100の花束』(1万年堂出版)という本が新聞広告を大きく打ち、ベストセラーにもあがっている。奥付め著者紹介には一行もないが、この高森こそ信者の尊崇を一身に集める親鸞会の会長である。同会は戦後に創立され、信者数約一〇万人、本部は富山県小杉町にある。

 親鸞会学生部の正体隠し勧誘の舞台はダミーサークルである。三月末、他のサークルがまだ活動していない入学手続きの日に、彼らはキャンパスにくり出す。

 親鸞会にもかなりこまかいマニュアルがあり、それに従って新入生の勧誘を行う。哲学のサークルを名乗り、「人生の目的を考えたことがありますか」と一人で歩いている新入生に問いかける。しかし最近では、宗教的イメージをやわらげるため、いきなり人生の目的とはいわず、「それにキナコをかけたような充実した大学生活を送ろうと思わない?」などと話しかける。

 部室は学外のマンションを借りている。教義を親鸞会のものと告げずに教えるのは、OBや大学講師、大学院生と称する人間である。が、じつは彼らは講師部員という親鸞会のスタッフであり、肩書きは偽りだ。卒業生でない場合もある。

 親鸞会であることを新入生に隠すため、一昨年のあるマニュアルには約百項目の「禁止事項」が連らねてある。

「先生(高森会長)のお名前は出さない」「本会の話はしない」に始まり、「宗教ですかの質問には、はっきり否定する。決してあやふやにしない」と正体隠しを図っている。

 興味深いのは、布施や会費について新入生に感づかれないための注意が冒頭にあることだ。「御報謝(布施)の話はしない。予約額の報告、納金のやり取りもしない」「財布をカバンから出す時、見られないように注意する。納金は後ろで一年生がいないときにする」など。これは親鸞会の学生の間で金銭の動きが盛んなことを示している。ひと月に五万〜一〇万円を布施や活動に注ぐのは普通のようだ。ある女子学生の母親は、娘が仕送りを布施に出してしまうため、「親鸞会は商売のようだ」と嘆いていた。

新潮45 2001−9月号 シリーズ・現代のカルト第三回

なぜ著名な児童精神科医とこのような団体が関係していると言えるのでしょうか。ここでは明橋大二氏と親鸞会との関わりについて詳しく掘り下げて行きます。

親鸞会医学部生としての明橋大二氏

学生時代、明橋氏が親鸞会会長の高森顕徹氏に出した年賀状が、同会の機関誌「顕正新聞」に掲載されています。

京都市 明橋 大二
謹賀新年
 真実に会わせて頂いて以来三年間、名利にだまされ、法を疑い、どうしても真実一路に徹しきれなかった私です。
 しかし「医師の資格をもった専任講師たれ」とのお言葉を頂いた上は、二河の道を全力で猛進します。そして、必ず今年中に信心決定します。

顕正新聞59年1月15日号

「医師の資格を持った専任講師たれ」というのは親鸞会の高森会長の言葉だと思われます。そして、明橋氏は高森会長の期待に応え、医師国家試験に合格します。

医学部に勝利の凱歌

全員合格、八名の医師誕生 親鸞会病院設立に大躍進

 六十年春の医師国家試験に本会医学部の受験生八名が、見事に100%合格の快挙を成し遂げた。仏心を体現した医師を結集した親鸞会病院の設立を目指す医学部。今回の全員合格で理想の実現に大きく前進した。

【中略】

 ○○医学部長は、
「皆、よく頑張った。明年も九名ほどの医学部生が国試に臨むが、医師が二十人ほどになれば、親鸞会病院の建設も、具体化してくるだろう。医師として勤務するようになると、世俗の誘惑も多くなるだろうが、何のために医師になったのか、目的を見失わずに、善知識のご期待に応える医者として成長してもらいたい
 と、合格の喜びと、医学部の将来について語った。
 昭和五十三年に発足してから七年、親鸞会医学部は今回合格の八名が、既に医師として活躍している○○医師らと合流し、医療の第一線で真実開顕の旋風を一層強く巻き起こしていくことだろう。(T・A)

【中略】

明橋大二医師(25) 精神科 国立京都病院勤務

顕正新聞60年6月15日号

 

ここで言う善知識とは、高森顕徹会長の事です。以下は明橋氏自身による決意文です

新医師の決意 2 研修後、講師部へ

明橋大二(26) 精神科 国立京都病院勤務

 今日の医学界は、ガン末期患者の看護、心身症の増加などの問題を通して、宗教的なものへの要請が非常に高まっています。
 しかし、その現状はキリスト教の牧師や、似而非仏教者ばかりがのさばって、全く下らぬ議論を繰り返しています。
 そんな現実を見れば、とても黙ってはいられないのです。現代における唯一正統の仏法者として、善知識が今ここにましますこと、死んだ後生に一大事のあることを、力の限り叫んでゆきます。

今後の方針
一、大学卒業後、内科を二年間、精神科を四年間、研修する。
二、研修後、講師部に入れていただく。
三、将来、親鸞会病院で、精神科外来を開くかたわら、青年精神医学、末期患者の臨床の専門家として、著作活動、講演活動を行う。
四、病院内で定期的にご法話を開催する。

顕正新聞60年8月15日号

実は明橋氏が勤務する「真生会富山病院」こそ、ここで言われている「親鸞会病院」が具現化したものであり、そもそも「真生会」とは高森会長が付けた名前です。

その後も明橋氏の高森会長に対する深い忠誠は続きます。

命がけのご説法に感銘 み跡に従い、報恩を誓う
特専部・医師 明橋大二

合掌
 善知識高森先生、その後ご法体如何でしょうか。
 日曜日、施主として一番前でご説法聞かせて頂きましたが、文字通り、高森先生の骨が砕け、肉の軋る音が聞こえるようでした。
 控室では、机に向かうにもはいずり上がるようにして、やっとのことで起き上がられる、と随行者の方からお聞きしました。
 身を粉にして、骨を砕いて、それでご恩返しができるなら、楽なものだと仰有る高森先生。あまりの境界の違いに、胸の締めつけられる思いをしながら、同時に自分も、先生のみ跡に従い、先生の億分の一、兆分の一でも苦労をさせて頂きたいと決意せずにおれませんでした。
 先生が、死を覚悟で日曜の壇上にお立ち下されたお陰で、初めて万劫にも逢い難い善知識とのご縁を結ぶことのできた人がいます。私と同じ下宿で龍大文学部の二回生です。
 高森先生の説かれる真実の仏法には、あまりに(自分の心に)引っかかる所が多すぎて、震撼させられる思いだ、とその夜語ってくれました。
 彼だけではありません。私も、高森先生が今にも砕けそうなご身体を引きずって、ご説法にお立ち下されたなればこそ、後生の一大事の解決の道を教えて頂いた一人です。
 高森先生の命がけのご説法を決して無にすることのなきよう、毎日の活動に今まで以上に精進し、一刻も早くご恩返しできるよう頑張ります。

顕正新聞61年10月1日号

明橋医師の布教活動

医師となった明橋氏は、上の言葉の通り、布教にも積極的に取り組みます。

アニメで深まる患者さんの仏縁
医師 明橋大二

合掌
 先日、名古屋に行ったおり三ヵ月ぶりに、アニメ第4部を求められた元患者さん宅を訪問してきました。
 その方は、毎日、欠かさずアニメを見ておられました。しかも驚いたことに、今までどんな薬を飲んでも治らなかった幻聴(家の外から悪口を言う声)が、親鸞聖人のアニメを見るようになって、ほとんどなくなったといわれるのです。
 今まで、自殺を考えるほど苦しんできただけに、どれだけこのアニメに感謝しているか分からない、と言われました。さらに、「でもね、私、まだ、だめなんです。まだ、阿弥陀仏の御声が聞けないのです」と、言われるではありませんか。
 半年前には親鸞聖人のお名前は知っていても、教えはまったく知られなかった人が、アニメを毎日毎日、見ているうちに、求道に決勝点のあることを知られ、信仰に悩んでおられる……、思わず涙ぐんでしまいました。
 心の病気も、肉体の病気も治していただくアニメ、本当に有り難うございます。

顕正新聞8年5月1日号

「アニメ」とは親鸞会の製作した「世界の光 親鸞聖人」のアニメーションの事であり、富山県射水市に本社を置く「株式会社チューリップ企画」から販売されています。

チューリップ企画とは親鸞会の製作した布教アニメの頒布のために作られた会社であり、本社は「親鸞会ビル」と呼ばれる7階建ての建物の2階です。ちなみにこのビルの最上階は高森会長の利用するフロア、それ以外のフロアは2階を除いて全て浄土真宗親鸞会弘宣部(広報部門)が利用しており、高森会長専用の玄関とエレベータまで備えられています。明橋氏の全ての著書を発刊している1万年堂出版は、この株式会社チューリップ企画の出版部門であり、同社の社員はほぼ全員が親鸞会の会員です。

親鸞会はかつて会員を総動員して、この7本セットで10万円するアニメ「世界の光 親鸞聖人」の戸別訪問による頒布活動を全国で推進しました。「元患者」とありますが、明橋氏は一体どんな立場でこの人に接していたのでしょうか。

医師 弁護士による仏教講座 各地で大評判

 特専部員の仏教講座が各地で好評を博している。
 本会特専部は医師、弁護士、建築士、会計士など専門分野で活躍する親鸞学徒の集まりである。日常業務で高度なサービスを提供する一方、親鸞学徒の使命である破邪顕正にも先陣を切っている。
 その一つが、各地での仏教講座である。毎月定期的な開催で、地元の人々に確実に真実の仏法を伝えている。
 石川県金沢市では、「親鸞聖人に学ぶ」と題して弁護士の○○○○氏が講座を開いている。本会顧問弁護士も務め、多忙な同氏。スケジュールの調整に苦労する時もあるというが、月一回の講演に立って今年九年目を迎える。
「遺産相続ではお金を持っている家ほど醜い争いが起こる。お釈迦さまの仰有るように有無同然です」
など、弁護士ならではの話題も随所に。ソフトな語り口で、時にユーモアも交えての話は定評があり、ファンも多い。
 特専部員の主な仏教講座は、○○○医師、○○○○弁護士、○○○○医師の「医療と仏教を考える会・講演」(大阪市)、明橋大二医師の「医師が語る歎異鈔」(愛知県)、○○○○医師の「医療と仏教」(東京都)、○○○○弁護士の「弁護士が語る釈迦と親鸞」(石川県)等がある。
「どう生きるか」に詳しい専門家は世にたくさんいても、それに加えて「なぜ生きるか」をハッキリ解答できる人は雨夜の星である。
 仏心を体現した専門知識集団・特専部は世の師表として、濁世に一際光芒を放っている。

顕正新聞10年6月15日号

精神医学の限界
 心療内科医師(特専部) 明橋大二

合掌
 歎異鈔第四章は、医療の目的と限界を知らされる、私の大好きな章です。一度苦しみを抜いてもまた苦しみが起きてくるのは、精神科では特によくあることです。
 苦悩の根源を解決せねば、本当の救いにはなりません。まず、自身が急いで仏になれる身になり、医療を通じて阿弥陀仏の本願を全人類に伝えることこそ、医師の聖使命と思わずにおれません。
 決して聖道の慈悲で終わるために、この道を進んだのではないぞ、と厳しく自戒して進ませていただきます。

顕真11年9月号法友通信

1万年堂出版と明橋氏

このことから、明橋氏は医療を通じて親鸞会の教義を広める事が、自分の使命だと思っている事が分かります。そしてその集大成とも言える活動を平成13年に開始するのです。

高森先生監修『なぜ生きる』ご発刊「苦しくとも、生きねばならぬ、理由は何か」。全人類永遠のテーマに、明快に答える大著・『なぜ生きる』が、四月二十日、全国の書店で一斉に発売された。
 著者は明橋大二(精神科医)、伊藤健太郎(哲学者)の両氏。高森先生が監修され、親鸞聖人のみ教えが光彩を放っている。

【中略】

『なぜ生きる』は、発売第一週から、全国総合ランキングで第五位と、堂々たるデビューを飾った(トーハン調べ)。今後、『光に向かって100の花束』以上のブームが巻き起こると予想される。

顕正新聞13年5月15日号

ここで触れられている「光に向かって100の花束」、そして「なぜ生きる」の発刊に際しては、親鸞会の会員から「発刊記念御報謝」として多額のお金が集められました。そして同会の職員や会員による、拡販を目的とした大規模な購買活動も行われました。朝日新聞や読売新聞といった全国紙にも次々と広告が掲載され、結果それぞれ60万部、40万部を突破するベストセラーとなるのです。

全く無名の新興出版社であった「1万年堂出版」から、同じく無名の著者の著作が続けてベストセラーになった事は、何か不自然なものを感じさせました。文芸評論家の斎藤美奈子氏はこう書いています。

『光に向かって100の花束』という、なんだかめちゃくちゃ売れている本がある。

著者の高森顕徹氏は「浄土真宗親鸞会会長」という肩書きだが、どことなく正体不明。某誌の連載(『月刊百科』二〇〇一年四月号)で、戦前の修身の教科書にも似た不気味な本だという意味のことを書いたら、読者からハガキが来た。「浄土真宗親鸞会」とは、本人たちは否定しているが、いわゆるカルト教団であり、大学のキャンパスなどにも出没しているという。そんな特殊な本が一般書として売れているのは怖いこと、と書かれてあった。

ははあ、なるほど、やっぱりねえ。と思って、そのまま忘れていたのだが、『編集会議』六月号で気になる記事をみつけた。

「ベストセラー鑑定人 井狩春男のこの本が売れる理由」という連載コラム。ここで井狩さんはびっくり仰天の告白(自慢?)をなさっているのである。

< すでに50万部を突破しているのに、この本を取り上げる新聞や雑誌が極めて少ないのはなぜなのか?/新興宗教の出版部ではないかと勘違いしているのだろう。違っている。富山のピデオを中心とした企画会社の出版部である。なぜ知っているのかといえば、起ち上げの際に富山から小生のところへ相談にやってこられたからだ>

以下、1万年堂出版という社名も、第一弾として出す本の内容も、『光に向かって100の花束』という書名も、ご自身がアドバイスして決まったことだとの打ち明け話が続く。売れたのは<たまたまだが宣伝費はタップリあったからで、宣伝のオンパレードであるから、情報が読者に充分に届いて、当然のように売れている>と。

噂の真相 2001年7月

ここで書いている「富山のビデオを中心とした企画会社」は、アニメ「世界の光親鸞聖人」の株式会社チューリップ企画であり、その出版部とは言うまでもなく1万年堂出版です。たしかに1万年堂出版の宣伝は、新聞の全国紙にも何度も大きな広告が掲載され、ご覧になった方も少なくないと思います。ではなぜ、無名の出版社に「たまたまだが宣伝費がタップリあった」のでしょうか。その理由は、皆さんの想像にお任せいたします。

その後、同会の機関誌「顕正新聞」にはなぜか明橋氏の名前はめっきり登場しなくなり、代わりに書店に明橋氏の書いた1万年堂の育児本が積まれました。もちろん、月に数回行われる親鸞会本部での行事に行けば、そこに明橋氏の姿を見る事が出来ます。

私は、明橋氏の精神科医としての能力や人格に異を唱えるつもりは全くありません。また、誰がどんな信仰やどんな使命を持って生きようとも、それは自由です。

しかし今でも私は、子供が親鸞会にのめり込んでいく事を心配する親御さん、親鸞会に疑問を持つ人、親鸞会をやめたいという会員、正体を隠した親鸞会の勧誘を問題視する大学関係者といった、様々な人からの悩み、苦しみ、相談を受け続けています。

明橋氏は現在著書の販売も好調で、講演やテレビ出演に引っ張りだこで多忙な毎日を送っているようです。しかし、明橋氏を起用する教育団体やマスコミの方が、明橋氏のバックに浄土真宗親鸞会という宗教団体の存在する事。そして、浄土真宗親鸞会がどんな宗教団体であるのか、知って頂ければと思っています。

(明橋氏は2007年1月7日、浄土真宗親鸞会より特専部賞を受賞しました)

※参考リンク

1万年堂出版(当ウェブサイト掲示板のスレッド)

井狩春男さんと「光に向かって」(バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳)

親鸞会資料集内コンテンツ・SK作戦指示書
(明橋氏の著作「なぜ生きる」が親鸞会で組織的に購入指示されていた事を裏付ける資料)

高森顕徹氏と親鸞会の問題

親鸞会録音資料

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